とりえかんざし

いつもなにかにこころをよせて、恋していたい

いろんなひとがすんでいるね

とある大型商店のエレベーター、屋上の駐車場から3階へ降りようとしていたところ。わたし以外にも8人ほどエレベーターの前で待つ、GW(ゴールデンウィーク)効果もありますでしょうか、とても混んでいるような気がしてくる、活気があります、エレベーターが到着音を鳴らして扉をひらく。

全員乗り込む、ぎゅうぎゅうではないにしろ狭い、そんなエレベーターは苦手。ボタンの光るところを確認すると、どうやら全員仲良く3階で降りるらしい奇遇。

わたしはエレベーターのドアを正面に、左後方のかどっこで、はやくつけ、はやくつくんだと、心の中でジリジリと唱えていると、
右前方にいらっしゃいます親子連れ、3~4歳の男の子が母親になにやら喋りかけている。たくさんひとがいるね、とかなんとか可愛らしい声で言ってたような気もしますが、特に気にもとめていませんで、途中までまったく覚えていなかったのですが、

とつぜん、

「いろんなひとがすんでるね」

って言うもんだから、なんだかおかしくってしょうがなくって、静かににやにやしてました。さようでございます、ここに住まわせていただいておりますとりえで御座います。
そして、なぜだか背筋を伸ばして、スマホをいじろうと鞄に伸ばしかけた手をキャンセルして鞄の紐にそっと添えておくことにしました。

3階につくまでもずっと、その男の子の母親はそうだね、そうだねって、小さく褒めていました。男の子も母親も、落ち着いた声での会話で、すてきだなあと感心しました


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今日は久々に図書館に行って、本を3冊借りてきました。
今、そのうちの1つ、梨木香歩さんの『西の魔女が死んだ』を読んでいます。半分くらい一気に読んでしまいましたが、明日にはもう最後まで読みきってしまいそうです。魔女の修行という、幸せに生きる一歩一歩の軌跡がところどころにちりばめられていますが、何よりもこの本を読んでいること自体が幸せだなあ、と、じぃんと、いい時間を過ごせます、好きな本です。


前々から探していてしばらく見つかりませんでした本も、見つかりましたし、偶然自分と調律の合う本と出会えたりと、不思議ですね、目的無しに図書館に行くと、8割くらいでいつも、すてきな本に巡り会えます。いいことが起こります。

去年の暮れあたりから、どうも読書をする気になれず、文字も頭に入ってこなくて、ご無沙汰でしたが、久々に、文字がスルスルと血液のように身体全体に染み込んでいって、自分が乾いたスポンジになっていたんだなっていうのがわかりまして、吸収できる読書の、そういう感覚を思い出して、すっきりと、嬉しい気分です